- 境界型高血圧
[症例]健康な50才女性。定期健診で外来受診。血圧は135/85 mmHg。
過去6ヶ月の他の2回の検診でも同じ様な血圧でした。最も重要な推奨は何でしょうか?
- 妊娠中の自動車事故
[症例]23歳。未産婦さんで、今回が初めての妊娠です。妊娠29週で、自動車事故(後部座席に座っている時に事故に逢いました)に巻き込まれ、急患室に来院しました。この事故までは、妊娠経過は正常でした。事故後、何も症状が無く、身体検査も正常です。そして、胎児心拍数は1分間に150拍で正常です。退院するまでに、器械を使用した胎児心拍数観察(電子的胎児心拍数観察)に関する推奨は何でしょうか?
- 早発陣痛の治療~子宮収縮抑制剤は有効でしょうか?
[問題]偽薬と比較して、入院中の切迫早産患者さんに対する治療では、どれが正しいでしょうか?
(A)妊娠を48時間までなら延長する
(B)妊娠を10−14日間延長する
(C)合併症の発生率は変わらない
(D)早産率を減少させる
- [真の陣痛?偽陣痛?] 妊娠31週。4分間隔で45秒間続く子宮収縮がある妊婦さん
米国産婦人科学会(ACOG)から出版されているコンピューターによる学習で、「早期産」に関するデイスクが発刊された。2号分が一緒になった膨大な学習号になっている。この中の例題は我々にとって非常に有益と思われるので紹介する。
[症例]22歳の2回妊娠、1回分娩妊婦が妊娠31週に規則正しい間隔の子宮収縮を訴えて来院した。産科既往歴には妊娠35週で早期産がある以外は特記すべきことは無く、妊娠中は妊娠初期に性器出血があった以外は順調に経過した。来院時、分娩監視装置では4分間隔で45秒持続する子宮収縮が記録された。胎児心拍数は1分間140拍で細変動は正常であった。滅菌膣鏡診では未破水で頚管及び膣分泌物による淋菌及びクラミジア培養を行った。内診所見は頚管開大1cm、頚管展退30%、ステーションー3であった。
[問題]この症例に対する処置は次のいずれが適しているか?
(A)子宮収縮抑制剤使用
(B)副腎皮質ホルモン使用
(C)抗生物質使用
(D)経過観察
- [妊娠26週の満期前破水]
[問題] 26歳。2回妊娠(今回を含め)歴あり。妊娠26週で破水して来院しました。体温は正常です。子宮収縮はなく、子宮を押しても痛みはありません。胎児は頭位(頭が下。逆子ではない)で、胎児推定体重は810gです。胎児心拍数は安心できる状態です。B群レンサ球菌(GBS)培養検査を行いました。結果は36時間で判る予定です。医師の方針は、入院し、待機的に経過観察です。そして、胎児成熟を促すために副腎皮質ホルモンを母体に注射します。
この患者さんに対する最良の療法は、抗生物質を母体に使用することですが、以下の中の正解はどれでしょう。
(A)数日間、予防的に使用開始
(B)GBS培養が陽性のときだけ使用
(C)陣痛が始まったら開始
(D)絨毛膜羊膜炎の徴候(例:発熱、子宮の圧痛など)があったら使用
(E)破水後7日以上経ったら
- ニキビに対する経口避妊薬療法
[症例] 21歳。分娩経験なし。大学生。月経前に非常に悪化し、生理痛を伴う「にきび」の治療を求めて来院しました。最も、費用効果がある(安い費用で効果がある)治療は、次のどれですか?
(A)酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA:商品名プロベラ)デポー
(B)絆創膏のピル
(C)レヴォノルゲストレル子宮内装置(Mirenaという名前の避妊リング。黄体ホルモンが持続的に放出される子宮内に留置する避妊装置)
(D)単相性経口避妊薬[経口避妊薬は卵胞ホルモン(E)と黄体ホルモン(P)が一定に割合で含まれて居ます。7日間毎にEとPの量が変えてある経口避妊薬が三相性、21日間同じ割合のE、Pが含まれるのが一相性経口避妊薬]
(E)黄体ホルモンだけの経口避妊薬(日本では使用出来ません)
- 乳がんの危険因子
[症例] 40歳。乳がんリスクを心配しています。最近、この女性の69歳の母親が、乳がんの診断を受けました。そして、この女性の父方のおばが42歳で乳がんで死亡しています。更に、母方の曽祖母は子宮内膜がんで死亡しています。この女性は、31才の時に子宮内膜症のために、子宮全摘出術と卵管―卵巣摘出術を受け、過去9年間卵胞ホルモン療法を受けてきました。
彼女は、東欧系のユダヤ系です。
この女性が、BRCA1とBRCA2遺伝子変異の最大リスクを持つリスク因子は;
(A)乳がんの家族歴
(B)乳がんの発症が50歳以前という方が家族に居る
(C)子宮内膜がんの家族歴
(D)東欧系(アシュケナジ)ユダヤ人の子孫
- 切迫早産と羊水穿刺
[症例] 24歳。2回妊娠。1回分娩。妊娠31週で、痛みを感じる規則正しい子宮収縮で来院しました。内診所見は頚管開大2cmで頚管展退80%で、切迫早産と診断されました。
子宮収縮抑制剤点滴静注と副腎皮質ホルモン筋注による治療が開始されました。
子宮収縮が続いていましたので、羊水穿刺乳が行われました。
子宮収縮抑制剤を中止するのは、次のどの場合でしょうか?
(A)胎便(胎児の便)による羊水汚染
(B)レシチンとスフィンゴミエリンの比が1:2
(C)羊水中のブドウ糖が22mg/dL以上
(D)グラム染色で細菌が存在
(E)白血球の数が25/mm3
- 妊娠中期の胎盤位置異常
[症例] 妊娠18週で妊婦検診で、「前置胎盤」の診断を受けました。どの様に説明するのでしょうか?
- タモキシフェン(乳がんのクスリ)と副作用
[症例] 66歳。2年前にステージIIの乳がん(卵胞ホルモンの受容体あり)とされました。最近、良性の子宮内膜ポリープを子宮鏡で見ながら摘出しました。この女性は、タモキシフェン(商品名:ノルバテックス)使用開始し2年間が終了したばかりです。この女性は、再び、子宮内膜の病気が再発するのを防止する方法を医師に求めています。タモキシフェンを中止する代わりに、最も適切な療法は、次のどれですか?
(A)プロゲステロン
(B)アロマターゼ阻害剤
(C)ラロキシフェン(商品名:エビスタ)
(D)子宮内膜蒸散術
(E)子宮全摘出術と両側の卵巣―卵管摘出術
- 閉経周辺期女性の避妊
[症例] 41歳。不規則な膣出血、のぼせ(ほてり)、性交痛があり、希望していない妊娠を心配しています。1日にタバコを15本吸い、うつ病の既往歴があります。
この女性は体重増加を心配していて、低脂肪の食事をしています。この女性にとって、最も便利で最も失敗率の低い避妊方法は、以下のどれですか?
(A)経口避妊薬(卵胞ホルモンと黄体ホルモン混合)
(B)プロゲスチン(合成黄体ホルモン)単独の経口避妊薬(日本では未許可)
(C)DMPA(商品名:プロベラ)デポー剤を筋注
(D)プロゲスチン放出子宮内避妊装置(商品名:Mirena)留置
(E)避妊用ペッサリー使用(日本では未許可)
- 65歳の女性。膣の乾燥感。性交後の灼熱感
[症例] 65歳。定期健診で受診。膣の乾燥感と性交後の灼熱感があります。視診では、外陰部はpale、ピンク色で薄く、膣粘膜は皺(しわ)がなくなっています。その他の所見は正常です。1年前のマモグラフィーと子宮がん検査の結果は正常でした。今年の検査では、総コレステロール236mg/dL、HDLコレステロール35mg/dL、LDLコレステロール156mg/dL、VLDLコレステロール45mg/dL、そして中性脂肪278mg/dLでした。TSH(甲状腺刺激ホルモン)3.3mU/mL、そしてサイロキシン値は9.8mg/dLでした。骨そしょう症の検査で、DXAスクリーニングによるT-スコアは、脊椎骨―1.2、大腿骨−1.3でした。
この女性はマルチビタミン、カルシウム1、500mg、そしてビタミンDを毎日摂取しています。この女性に対する最も適切な処置は、下記のどれでしょうか?
(A)膣潤滑剤(例えば、リューブゼリー)
(B)アレンドロネート(フォサマック)
(C)経口卵胞ホルモンープロゲスチン(合成黄体ホルモン)療法
(D)ラロキシフェン(エビスタ)
(E)低用量膣卵胞ホルモン製剤
- 不妊診療の進め方
[症例] 28歳妊娠歴、分娩歴なし。ご主人と共に不妊検査の相談に来院。お二人は、避妊をせずに13ヶ月間、月経と月経の中間頃(排卵の頃に)妊娠を試みてきました。
この女性の月経周期は順調で、30−32日間隔です。かなり強い生理痛があり、以前は経口避妊薬でコントロールしていました。現在は、経口避妊薬は止め、NSAID(非ステロイド系消炎鎮痛剤)を生理痛のある時に使っています。開腹手術歴はなく、子宮がん検査異常なし、他に医学的問題はありません。この女性は大学時代にクラミジア感染症で抗生物質による治療を受けた事があります。
ご主人は健康な32歳の男性で、性感染症の既往歴はありません。ご主人も、他のパートナーが妊娠したという既往歴はありません。婦人科検診では、この女性の子宮頚管は正常で、炎症を起こしていると言う証拠はありません。内診では、子宮はかすかに前屈(後屈の逆で、子宮が少し前方に傾いているという正常の状態)していて、可動性は良好(子宮が周囲の組織に癒着はしていなそう)で、圧痛もありません。附属器(卵巣と卵管)に腫瘍は無く、直腸膣診も正常でした。
この女性の卵管が塞がっていない(詰まっていない)のを確認する最も良い検査は次のどれでしょうか?
(A)生理食塩水注入超音波検査
(B)子宮卵管造影法(HSG)
(C)子宮鏡検査
(D)腹腔鏡検査
- 血性の乳汁
[症例] 45才の女性。ブラジャーに血液が附着しているのに気が付きました。そして、乳頭から血液が混じった液体が出てきました。触診では乳房の腫瘤は触れません。
可能性が最も高いのは、以下のどの項目でしょうか?
(A)乳管拡張
(B)異形成を伴った乳管の増
(C)乳管内がん
(D)線維のう胞性変化
(E)乳管内乳頭腫
- 排卵誘発剤使用による卵巣のう腫
[症例] 28歳。未産婦さんです。妊娠したことが1回も無く、妊娠希望で来院中の女性です。排卵誘発剤のクエン酸クロミフェン(商品名:クロミッド)によるsuperovulation(過排卵刺激)(武久レディースクリニック婦人科資料#1033)を2ヶ月間行いました。この女性は月経3日目に右の下腹部痛を訴えて来院しました。超音波検査で、直径が7.9cmの卵巣のう腫が見付かりました。この女性に対する最も適切な管理は?
(A)クエン酸クロミフェンを続行
(B)卵胞ホルモンー黄体ホルモン混合の経口避妊薬
(C)卵巣のう腫のみ除去
(D)待機的管理
(E)経膣式に卵巣のう腫内容物吸引
- 月経前症候群と月経前不快気分障害
[症例] 39才。喫煙者。強いイライラ感と集中力低下を相談に来院しました。
来院までの3ヶ月間の症状を記したカレンダーを持参しました。その記録を見ると、これらの症状は周期的に起こり、月経開始約10日前に始まり、月経出血開始後2日以内に解消していることが判りました。患者さんは、気分と認知力の変化が仕事に支障を来たし、コーヒーの飲む量を減らしたり、運動したり、補助食品で工夫しても変わらないことを心配しています。最も適した薬物療法は、以下のどれでしょうか?
(A)黄体期(排卵から月経まで)にBuSpar(buspirone hydrochlorideを内服
(B)デポープロベラを注射
(C)GnRH作動薬療法
(D)選択的セロトニン再吸収阻害剤(SSRI:商品名パキシル)を黄体期に内服
(E)スピロノラクトン(アルダクトン)を黄体期に内服
- 片頭痛と経口避妊薬使用
[症例] 33歳の女性。現在使用している経口避妊薬に関する相談で来院しました。この女性は2型糖尿病があります。その他に、神経学的徴候を伴う片頭痛(婦人科資料#815,816,1090)、高血圧、過多月経(月経の量が多い)があります。
最近、乳房の生検(試験的に乳房組織を採取する検査)で線維腺腫(乳腺に出来る最も多い、良性腫瘍)があることが判明しました。この女性には乳がんの家族歴があります。糖尿病と高血圧は良好にコントロールされています。内診で、子宮筋腫と思われる子宮で表面が凸凹で、大きさは男の握り拳の大きさです。
この患者さんの医学的既往歴で、経口避妊薬使用を中止させる最大の理由は以下のどれですか?
(A)糖尿病
(B)神経学的徴候を伴う片頭痛
(C)高血圧
(D)子宮筋腫
(E)乳房の病期と乳がんの家族歴
- 骨粗しょう症の検査~貴女が使っている薬の効果は出ているか?
[症例] 65歳の女性。無月経が10年間続いています。ホルモン療法は受けていません。最近受けた骨粗しょう症の精密検査(DXA)結果を相談するために来院されました。
検査結果では、この女性のDXA検査結果でTスコアは脊椎骨―2.7、大腿骨はー2.4でした。医師は、カルシウム、ビタミンD、そしてビスホスホネート(商品名の例:フォサマック)を処方し、3ヵ月後に薬の効果があったか否かを調べる検査(骨の生物的指標検査)を受けるように提案しました。この女性さんがキチッと薬を飲んでいるか(compliance~遵守)、と薬の有効性を知る上で最も良さそうな検査は次のどれでしょうか?
(A)骨型血清アルカリフォスファターゼ(BAP)の減少
(B)尿中ヒドロキシプロリンの増加
(C)尿中N-テロペプチド(NTX)の減少
(D)尿中デオキシピリジノリンの増加
(E)血清オステオカルシンの減少
- 閉経後女性のカルシウムとビタミンD
[症例] 45歳の女性。1年間に40箱の喫煙歴があります。悪性貧血(ビタミンB12欠乏)があります。骨粗しょう症の予防の相談に来院しました。先ず、禁煙することから始め、そしてビタミンB12療法の有効性を確認するように勧めました。
この女性に対する最も重要で、第一に行う骨粗しょう症予防薬物療法は、以下の何でしょうか?
(A)フッ化ナトリウム
(B)ビタミンDとカルシウム
(C)ビスホスホネート(商品名:フォサマック)
(D)カルチトリオール(ビタミンD3)
(E)副甲状腺ホルモン
- 大腸がんスクリーニング
[症例] 48歳の女性。間欠的に排便時にティシューペーパーに少量の新鮮血が附着するので相談に来ました。排便は、1~2日毎に硬い便が出るとの報告です。排便の回数、硬さ、量は変わらないとの事です。この女性の家族歴では、いとこがクローン病(腸壁に起こる慢性炎症で消化管のどの部位にも起こります)(女性と健康シリーズ#64)で、父方の祖父は60歳の時に大腸がんで死亡しています。
この女性の腹部の検査では著明な変化はありません。肛門から指を挿入して行う検査の際、時計の文字盤の12時のあたりに小さな裂肛(裂肛は切れ痔とも呼ばれ、肛門の粘膜に生じた裂傷または潰瘍です)があります。直腸診は正常でした。
この次に行う検査は何でしょうか?
(A)年に1回の大便潜血反応検査
(B)結腸鏡検査に紹介
(C)バリウム注腸
(D)裂肛焼灼
(E)大便DNA検査